森本 千賀子

Chikako Morimoto

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株式会社リクルートエグゼクティブエージェント
エグゼクティブコンサルタント

1993年、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社。企業に対する人材戦略コンサルティング、採用支援、転職支援などの業務に携わり、1年目からトップセールスとなる。その後、リクルートエグゼクティブエージェントに移り、エグゼクティブ層の採用支援を行うエグゼクティブコンサルタントとして活躍。『1000人の経営者に信頼される人の仕事の習慣』『No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本』など著書多数。

キュレーターの想い

子供たちが生きる未来は、変化が多く、安定感のない時代。変化対応力と好奇心を養って、さまざまな環境を楽しめるようになってほしい。

多様な習い事を通じて、夢中になって楽しめるものに出会ってほしい。

29歳で職場の同僚と結婚し、33歳で長男、39歳で次男を出産しました。長男は現在小学校6年生になり、今は中学受験に備えて学習塾に通っていますが、小さい頃はたくさんの習い事に通わせていました。

5歳からピアノ、小学校からは図工教室、公文、学習塾、英会話などなど。日曜日以外はほとんど習い事という、長男いわく「世界一忙しい小学生」でしたね。 

保育園時代は19時半まで預かってもらうことができましたが、小学校に上がってからは、学童に預けられるのは17時半まで。出産後すぐに仕事に復帰していたので、この2時間分仕事を短縮することはできませんでした。そこで「1人で2時間、家で留守番をさせるよりも、この2時間を彼の成長のためのインプットに使ってもらおう」と考えたのです。もちろん、彼の意志は尊重し、初めの数回は一緒に通って彼が「やってみたい」かつ「一人でも通える」と思ったもののみを選んでいます。

音楽や図工などさまざまなジャンルのものを選んだのは、「自分が夢中になって楽しめるフィールド」に早く気付いてほしいとの思いから。また、自分の人生を振り返ってみて実感するのですが、思いもよらぬ場所で「人生の友」に出会うものです。そのため、学校以外の場所で人間関係を築ける力を養ってほしいとも考えました。

余計な口出しはせず、任せることで「自立」を促す

習い事や勉強に関しては、始める際に助言はしますが、あとは「口を出さず子供に任せる」を徹底しています。「宿題はやったの?」「忘れ物はない?」などのセリフも、言ったことはありません。宿題をやらなくて、忘れ物をして、困るのは自分。一度痛い思いをしないと気付くことはできません。また、自分で考え、実行することで自立心も養えると考えています。結局人間、最後は自分一人。早いうちから「自分で考え、行動できた」という成功体験を積み、自分に自信を持ってほしいと考えています。
そのおかげか、長男はものすごくしっかりしています。私の帰りが少しぐらい遅くなろうが、全く動じない。次男やお友達がケンカを吹っかけようが、それに乗らずにいなす。小6ながら頼れる存在ですね。

ただ、そうはいっても「幼い時から、少々忙しくさせすぎたかな…」と後に反省しました(笑)。本人は忙しい毎日を楽しんでいたようですが、少なくとも、公文や学習塾などの「勉強のインプット」系は、もう少し後になってもよかったかな?好奇心を養うものだけに絞ってもよかったのではないかと思いましたね。

その経験を踏まえ、次男のときは大幅に方向転換しました。子供が2人に増え、仕事と家事、育児の両立難易度がさらに上がったこともありますが、小学校に上がるまでは保育園の後にシッターさんに面倒を見てもらうことで、彼女からさまざまなことを教えていただきました。なかでもありがたかったのは「食育」。保育園帰りに一緒にスーパーに行き、一緒に食材を選んで、一緒に食事を作る。大切だとわかっているものの、仕事を持っているとなかなかできないことを、体験させてもらえましたね。

「良さそうだから習わせる」ではなく、自身の想いに合う環境を選びたい。

次男が小学校に上がってからは、インターナショナルスクールのアフタースクールに通わせています。人材に関する仕事を通して、ダイバーシティ推進の動きが本格化していると感じていて、いろいろな国籍の子供の中で、いろいろな価値観に触れることで視野を広げてほしいと思っています。
このアフタースクールは、子供の興味・関心を刺激するワークショップが多彩で、リーダーシップやクリエイティビティを養うプログラムも。英語での発表会などアウトプットの機会が多いのも嬉しいですね。多様な経験を通して「自分が夢中になって楽しめるフィールド気付いてほしい」という私の想いに合っていますし、バラエティー豊かなプログラムを子供自身も楽しんでいます。

このアフタースクールもそうですが、習い事を選ぶ時には、「うちの教育方針に合致しているか」を重視しています。でも、パンフレットやホームページを見ても、当然ながらいいことしか書かれていないので、体験者を探して意見をもらうようにしています。ただ、私の周りのママ友だけではわからない分野もある。そんなとき、信頼できる人のお勧めがわかる、このサイトはとても便利ですね。やはり習い事やアクティビティを選ぶ際には、さまざまな立場の方のいろいろな意見を聞いて判断したいので、これからどんどん活用したいと思っています。

順応性の高い子供のうちに多くのコミュニティを経験し、変化対応力を付けてほしい。

息子たちには、「変化対応力」と「好奇心」を持ってほしいと考えています。

「変化対応力」は、今の仕事を通じて、ビジネスパーソンには必要不可欠なスキルだと痛感しています。昨日まで一部上場企業だったのに、別の会社にM&Aされて全く別の会社、別の組織風土に変わってしまう…というのも珍しくない時代です。そんなとき、とまどったり凹んだり、挫折感を覚えてしまう人が多いのですが、息子たちにはぜひ、新しい環境で最善を尽くす術を身につけてほしいと願っています。
どんな環境でも、子供はすぐに慣れるものです。順応性が高い子供時代に、学校の中だけではなく、いろいろなコミュニティを経験させることが重要だと思っています。

「好奇心」も、変化の時代に必要なスキルだと考えています。これからの人生、たくさんの選択をして、さまざまな環境に身を置くことになるでしょう。そんな中で、どんな環境も楽しめるようになるには、好奇心を養うことが重要。変化対応力と似ているかもしれませんが、たとえ予期せぬことが起こっても、楽しむことで乗り切れるものだと思っています。
魅力的な人って、人生を楽しんでいるんですよね。環境の変化に飲まれることなく、それを楽しみながら、シチュエーションに合わせて新しいチャレンジをしている。そんな価値観を、息子たちにも持ってほしいですね。

子供の頃から仕事を知り、仕事を身近に感じることで、将来の選択肢が広がる

最近、ライフワークとして小学校や中学、高校で「仕事」についての課外授業を始めています。今の仕事に就いて、何千人という求職者に話を聞きましたが、ほとんどの人が、学生時代に学んだことと今の仕事とがつながっていないのです。だからといって学びが無駄になっているとは思いませんが、もっと人生の手前で、キャリアや仕事を考える機会があれば、その後の選択は変わっていたのではないか…と思うのです。

小学生に、「知っている仕事」を聞くと、親の仕事や、お店屋さん、先生など、身近なものばかりが挙がります。小学生なら仕方ないと思うかもしれませんが、実は高校生に聞いても同じような答えなのです。
高校生になると、知っている社名はいくつかあるものの、何をやっている会社なのかまではわかっていない。そこまで仕事に興味を持てていないから、なんですね。

その現状を憂い、仕事とは、キャリアとは何かを説明し、「夢を持って本気になれるものを見つける大切さ」を伝える「キャリア学」講座をボランティアとして本格的に始めたところ、口コミで広まり、昨年は全国15校で授業を行いました。

例えば、何気なく手にしているペットボトルの飲み物。そこから子供が思い浮かべる「仕事」は、せいぜい飲料メーカーと、販売しているコンビニやスーパーどまりですが、「あなたが手にするまでに、ペットボトルを作るメーカーもあれば、商品を運ぶ運送会社もある。商品を宣伝するための広告代理店だって関わっている…などと説明していくと、子供たちの表情が俄然イキイキしてきます。
日常のいろいろなものに、いろいろな立場・役割の人が関わっていることが意識できると、仕事に対する考え方が変わり、視野が一気に広がります。このような学びの機会を、ぜひ小中高の段階で取り入れてほしいと、働きかけています。

実は私自身も、この活動を通して視野が広がりました。仕事とは別の表現の場を持つことで、新しい刺激と気付きが得られ、それがまた仕事のモチベーションになっています。子供たちにも将来ぜひ、自分の肩書以外の場所を持つことで、人生をより楽しんでもらいたいですね。